電気代を節約しながら効率良くお湯を沸かせると話題の給湯器、エコキュート。
よく一軒家に導入されているイメージですが、実はマンションに住んでいても設置することができます。
しかし、エコキュートの作動音のせいで近隣トラブルになるなどマンションならではのエピソードもちらほら。
そこで本記事では、マンションでエコキュートを使う際の注意点やおすすめ機種、騒音対策などについてご紹介します。
目次
マンションにエコキュートを設置するときの注意点
一軒家とは異なり、壁の向こう側に別の世帯が住んでいるマンションでは、ちょっとしたきっかけが大きなトラブルになりかねません。
マンションでエコキュートを使う際に問題が起きないよう、注意すべき点をご紹介します。
騒音対策が必要
エコキュートをマンションで導入する際、最もトラブルになりやすいのが作動音についてです。
エコキュートは電気代を抑えるために、深夜の電気代が安い時間帯にお湯を沸かす仕組みになっています。
従来の電気温水器も同じように深夜電力でお湯の沸き上げを行っていましたが、エコキュートはそれよりも大きな音を出してしまう点がデメリットと言えるでしょう。
主に音の発生元となっているのがエコキュート内部のヒートポンプユニットで、お湯を沸かしている間、空気中から熱を集めるためにファンが稼働します。
また、集めた熱をさらに高温にするためのコンプレッサーが内蔵されており、そちらも運転中に音が出る原因となっています。
音の大きさ自体は約40dbで「聞こえるが、会話には支障なし」と定義される程度の大きさで、図書館の館内やささやき声に相当します。
しかし、みんなが寝静まった時間帯となると、少なからず気になる人もいるため注意が必要です。
エコキュートを導入する前に、導入後の騒音対策について考えておきましょう。
設置場所を確保できるか
エコキュートを置くために、先に設置場所を確認しておくこともポイントです。
エコキュートは本体と貯水タンクがセットになっているため、一般的な給湯器に比べるとかなり大きい造りになっています。
これまでも電気給湯器を使用していたという方は、それまでタンクがあった場所に新しいエコキュートを入れ替えることができるケースが多いですが、ガス給湯器を使っていた場合は要注意です。
ベランダに置くとなると、その大きさだけでなく重さも考えなくてはならないからです。
あまり広くないベランダの場合、エアコンの室外機と並べて置いてしまうと相乗効果でより騒音がひどくなります。
また、新たに配管などの追加工事が必要になり、思った以上に費用が掛かってしまうこともあるのでその点も併せて検討しましょう。
管理組合・管理会社の許可が下りるか
マンションで個人的にエコキュートを導入する際、分譲マンションであれば管理組合、賃貸マンションであれば管理会社に対し、事前に相談する必要があります。
設置する場所があり、騒音対策ができれば誰でもマンションにエコキュートを設置できるか、というとそうではありません。
通常、マンションには共用部分の範囲や使用方法、マンションの組合運営などについて決まりごとがかかれた管理規約というものが存在します。
管理規約によると、エコキュートは専有部分にあたるため、本来なら各自好きなように選択できるはずですよね。
しかし、エコキュートを初めて導入する場合、配管の増設工事など大掛かりな工事が必要となり、自宅内だけの工事で終わらないケースがほとんどです。
そうなると騒音や共用部分の占領など、周りの住民にも一定期間迷惑をかけることになってしまうため、そもそもエコキュートの設置を認めていなかったり、別に審査を必要としたりするマンションも少なからずあります。
見積もり程度であれば事前に行っても問題ありませんが、実際に設置を検討したり工事を依頼するのは必ず管理組合の許可をもらってからにしましょう。
マンションの給湯器をエコキュートに取り換えるには
マンション暮らしでエコキュートを導入する際はいくつか注意点があるものの、それぞれに対処ができれば問題なく設置することができます。
ここで、マンションでエコキュートを使用する際のポイントについて押さえておきましょう。
騒音対策はしっかりと
マンションにエコキュートを設置する際、一番気にかけなければならないポイントは騒音です。
一軒家であれば、近隣住宅への影響を考えて設置場所を選んだり、スペースを広く取ったり、と騒音に対してさまざまな工夫ができます。
しかし、マンションでは設置場所はある程度決まっており、スペースの拡大や防音壁の設置はできません。
また、トラブルとしては騒音ほど多くはありませんが、低周波音が響くのと同時に振動を感じるといった意見も無視できない点です。
騒音や振動に関して、設置後にクレームが来ないよう、万全の対策を練っておくことが大切です。
マンションでもできる防音・振動対策については後の項目で詳しく解説していますので、ぜひ参考になさってください。
サイズやタイプが合ったものを選ぶ
一言で「エコキュート」と言ってもその種類はさまざまで、その中から各家庭に合ったものを選ぶことが大切です。
エコキュートは「タンクがある分場所を取る」とよく耳にすると思いますが、そのタンクも一様ではなく、容量によって大きさが異なります。
家族が4~5人なら460L、人数がそれ以下であれば370Lが一般的ですが、集合住宅に合わせた300Lやさらに少ない容量のタンクも用意されています。
またマンションの場合は、あらかじめ設置できるタイプが指定されていることも少なくありません。
壁面に取り付ける「ベランダ壁掛け型」や、廊下にあるパイプスペース内にはめ込む「PS標準型」など、いくつかタイプがありますが、基本的にはそれまで使用していた給湯器と同じスタイルで設置することになるでしょう。
追加工事の有無
マンションの場合は、追加工事が必要かどうか、また必要な場合はどれくらいの規模の工事になるのかを、あらかじめ知っておかなければなりません。
ある程度機種や設置場所を絞っても、いざ具体的な話し合いになった時に、追加で工事が必要となることが発覚することもあります。
見積もりや検討の際は、抜けがないように工事内容までしっかりと確認しておくことが大切です。
一方で先に管理組合から許可をもらっておく場合、よほどのことがなければ後々許可を取り消されることはありませんが、それでも100%安心はできないため、相談する際はその可能性も含めて話しておくといいでしょう。
また、追加工事が必要になる場合はその費用も気になるところです。
工事費は依頼業者よって大きく値段に差が出る部分なので、必ずいくつか見積もりを取るようにしましょう。
必ず管理側に連絡を
エコキュートの導入を考えるのであれば、まず管理組合や管理会社に一報を入れましょう。
マンションに住んでいて最もタブーとされるのは、自己判断で勝手にエコキュートを導入してしまうことです。
設置後に近隣住民とトラブルになるだけでなく、万が一設置が禁止されていたり、条件を満たさないまま使用した場合は、仮にエコキュートを撤去したとしても、規則に反するという理由で退去させられる可能性まであるのです。
もしもそんな状況になってしまえば、いくらエコキュートにメリットがあったとしても、違う側面からのデメリットの方が目立ってしまいます。
そうならないためにも、忘れずに管理側に相談をしましょう。
マンションにおすすめのエコキュート
電気代が大きく節約できることや、防災面などで近年マンションにエコキュートを設置する人が増加していることを受けて、各メーカーがマンション向けの製品を続々と発売しています。
その中でも、特にマンションに住んでいる方におすすめのメーカーについてご紹介します。
ダイキン
ダイキンは、ヒートポンプ式冷暖房・給湯機マルチシステムを世に送り出すなど、高い技術力を持った大手メーカーです。
長期間使用できる製品づくりと非常時にも使用可能な点、自然環境への配慮も重視しています。
ダイキンのエコキュートは、夫婦や3人家族向けなどファミリー層向けの機能が多数搭載。
パワフル高圧力・高温足し湯・マイクロバブル入浴など、一軒家はもちろん、最近はマンションなどの集合住宅でも人気となっております。
コロナ
エコキュート業界の先駆者である「コロナ」は、戸建て用エコキュートを発売した翌年にはマンション用を発売開始。
マンション向けのエコキュートにおいても、長い歴史を持つメーカーです。
集合住宅に最適な300L容量のタンクとしては業界トップクラスのスリムさで、狭いスペースでも邪魔にならずに設置することが可能。
騒音の原因となるヒートポンプユニットも、数あるエコキュートの中でも特に静音性に優れているため、マンションで使用するのに最適です。
コロナのエコキュートは、家族の悩みに寄り添った機能が充実しているのもポイント。
ボタン1つで追い炊きを無効にしたり、センサーで入浴状況を知らせてくれたり、と子どもから大人まで安心して利用できます。
パナソニック
エコキュートだけでなく、家電メーカーとして全般的に人気の高いパナソニック。
マンション専用のエコキュートは業界No.1のコンパクトさで、省エネ性能にも非常に優れています。
パナソニック独自の開発技術「エコナビ」をエコキュートにも搭載。
自動で人の入室や退室を感知して湯温調節を行う「ひとセンサー」、AIが自動で浴室不在時の温度チェックをカットする「湯温学習制御」など、電気代を最大限抑える機能が満載です。
さらに、従来のエコキュートに比べて耐震強度が1.3倍になっているのもポイント。
万が一地震が起きた場合、揺れが1点に集中しないよう複数の脚でしっかりと固定され、震度7相当にも耐えられる構造となっているので、もしもの時にも安心ですね。
三菱電機
数多くの家電製品を発売し、エコキュート業界でもパナソニックに次いでシェアが多いのが三菱電機です。
タンク内部に高断熱材を使用してタンクの保温性をアップ、さらに残り湯から熱を回収して翌日の給湯に使用するなど、独自の技術で家計にも大きく貢献。
省エネに特化した機能を多く搭載しているのが特徴で、コンパクトでありながら節約効果をしっかり実感できます。
また、省エネ性と並んで人気なのがお湯を清潔に保つ機能。
自動循環運転で浴槽内のお湯を常にきれいに保つ「キラリユキープ」や、マイクロバブルで配管を自動洗浄する「バブルおそうじ」などが搭載され、いつでも清潔なお風呂に入ることができます。
マンションでのエコキュート騒音問題
これまでにもご紹介してきましたが、マンションでエコキュートを使用する際は作動音の問題を避けて通ることはできません。
先にも解説した通り、エコキュートは電気料金が抑えられる深夜帯にお湯の沸き上げを行うため、ちょうど周りの人が眠ってから運転が始まります。
時計の秒針や蛇口からの水滴が落ちる音など、昼間であれば周りにかき消されて気付かないレベルの音も、周囲にほとんど音がない状況では、逆にその音が際立って聞こえてしまう経験は誰にでもあると思います。
それと同じ状況が毎晩続くとなると、やはり近隣に暮らす住民としては大きな問題でしょう。
実際2009年には、隣家に設置されたエコキュートの音と振動の影響で不眠症や自律神経失調症を発症したとして、訴訟を起こすケースもありました。
エコキュートを使う側としてはメリットが大きいですが、近隣に及ぼす影響も考慮しながら話を進める必要があります。
騒音問題対策
騒音での近隣トラブルを避けるため、マンションで有効な騒音対策をご紹介します。
設置場所の考慮
基本的にエコキュートは寝室から距離をとって設置すべきもので、これは自身だけでなく、近隣住宅においても同じです。
マンションの間取りが似通った造りであれば、ある程度部屋の振り分けは想像できますが、それでも家庭によっては使い方が違っていたり、あるいは間取りが全く異なっていたりする場合もあるでしょう。
隣家の状況が分からない場合は、導入する前に相談しに行くのがおすすめです。
防音シート・防振ゴムの使用
エコキュートを購入する際、防音シートや防振ゴムを一緒に購入しましょう。
防音シートはヒートポンプユニットに直接貼り付けて使用することで、音が外部に漏れるのを防ぎます。
また、防振ゴムをエコキュートの足元にかませることで、機器の揺れを吸収してくれます。
100%ではありませんが、両方を取り入れることで騒音がかなり抑えられるとされています。
エコキュートの点検・メンテナンス方法と必要性
こちらの記事では、エコキュートの点検やメンテナンスの方法、業者に依頼する場合の費用などについて紹介します
「難しそう」「面倒くさい」などエコキュートの点検にネガティブなイメージをされる方も多いと思います。しかし、長期間安全に使っていくためにも定期的に行うことが大切です。
こちらの記事でエコキュートの点検方法やポイントを押さえておきましょう。
きちんと対策すれば快適にエコキュートを使える
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、マンション住まいでエコキュートを導入する際のポイントやおすすめメーカー、騒音トラブルなどについてご理解いただけたかと思います。
近隣トラブルも少なくありませんが、しっかりと対策を行えば問題なくマンションでもエコキュートを使うことができます。
周りに配慮して、快適なエコ生活を送りましょう。
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