冷房時の節電についてのアイデア③
前回、冷房時の節電について前編の説明をいたしました。
今回は後編の説明です。
5.室外機対策
室外機の対策も節電につながります。室内機の熱交換器で室内の熱を吸収した冷媒は室外機でその熱を大気に放出します。この熱の放出の効率を上げ、少しでも冷媒の温度を下げることによって圧縮機の運転強度を下げ節電につなげることが出来るのです。
以下に室外機の対策を列挙します。
①日よけ対策
室外機の設置場所ですが、日陰に置いている場合、日向に置いている場合、それぞれおありかと思います。
冷房運転時に問題になるのは日向に置いている場合です。
都市部の日中の日向の温度は、場合によっては50℃近くまで上がります。室外機の熱交換器で熱を放出しようとしても、周囲の気温が高すぎると熱の放出がうまく行かず、冷媒の温度が下がりにくくなります。
そこで室外機に夏の間だけ日よけを設置し、室外機に直射日光が当たるのを防ぎ、出来るだけ室外機周辺の気温が上がるのを防ぎます。
②風の通り道の確保
室外機の熱交換器で熱交換をするときにも室外機のファンを回します。この風の抜けが良いと放出した熱が室外機から離れ、室外機周辺の温度が下がりますが、風の抜けが悪いと熱を持った空気が室外機の周辺にこもり、熱交換の効率が悪くなります。
室外機の吹き出し口の前に物を置いたりしていないか、確認し、置いている場合は撤去してみてください。(①の日よけを設置する場合も風の通り道を確保できるように工夫してみてください。)
③熱交換器の汚れ
前回、1.の項目で室内機の熱交換器の汚れについて説明しました。室外機の熱交換器も汚れが付いていると熱交換の効率が下がります。室外機は特に室外に置いていますので、ホコリの汚れなどが付きます。ただ、雨などによって汚れが落ちている場合もあるでしょう。
お使いのエアコンの室外機の熱交換器(吹き出し口と反対側)が汚れている場合、水をかけてみる(擦ったりはしないでください。熱交換器が傷む恐れがあります。)などの対策をしてみる、専門業者にエアコンの室外機の洗浄を依頼する、などを検討してみましょう。
6.運転について
いろいろな場面でエアコンはこまめに運転を入り切りしたほうがいいのか、点けっ放しがいいのか、という話がされているのを散見します。
結論から申し上げますとこまめな運転の入切は節電には逆効果です。
風量の項目で説明しましたが、エアコンの消費電力の大半は室外機の圧縮機で消費されます。こまめに運転を入り切りすると圧縮機の運転もそれだけ入り切りされることになります。
圧縮機の運転の状況によっても消費電力が変わります。
圧縮機の消費電力は起動時(運転開始時)が最も高くなり、安定した水準で運転を継続している場合はそれほどの電力は消費しません。
このことからも圧縮機が起動⇒停止⇒起動⇒停止を繰り返すこまめな運転の入切よりも、起動⇒安定した水準での運転の方が消費電力は少なく済むということになります。
同時に短い時間外出する、部屋を不在にする場合にエアコンは切った方がいいのか、点けっ放しがいいのか、の議論について説明しますと、時間によりますが点けっ放しの方が節電になります。外出する、不在にする時間の目安ですが、1時間程度と聞いたことがあります。この時間内に外出から戻る、部屋に戻るのであれば点けっ放しにした方がいいでしょう。