NEWS

エアコンからの水漏れ その1

エアコンからの水漏れ その1

 

今回はエアコン運転時に水が漏れる場合について説明いたします。

「水漏れ」と言っても、暖房運転中なのか、冷房運転中なのか、室内機から漏れるのか、室外機から漏れるのか、いろいろです。

それぞれの場面での水漏れについて順番にご説明いたします。

 

【エアコンで水が出る理由】

そもそもエアコンで水が出るのはなぜでしょう?

ご存知の方も多いと思いますが、エアコンの運転時にはドレン水(結露水)というものが出ます。

 

ドレン水、結露水というのを説明しますと、室温の高い部屋に氷水の入ったコップを置いておくとコップの周りに水滴が付きます。これがドレン水、結露水です。

 

冷房運転でのサイクルで説明します。

エコキュートのエラー説明の項目で「熱交換」について説明しましたが、改めて簡単に説明しますと温度の異なる二つの物質は直接混ざらない状態でも、近接することで温度の高いほうから低いほうへ熱量が移動し、結果的に温度の高い物質の温度が下がり、温度の低い物質の温度が上がる、というものです。

エアコンもこの熱交換を利用しています。

エコキュートと同様にエアコンにも冷媒が充填されています。

冷房運転時、冷えた冷媒が室内機に送られ、室内の温かい空気と熱交換を行い、温度の下がった空気を室内に戻し室温を下げる、というのが冷房運転の基本です。

冷房運転時の熱交換は室内機の熱交換器で行われ、熱交換器の中に冷たい冷媒、熱交換器の周りを室内の温かい空気が囲みます。

この状況は上で説明しました室温の高い部屋に氷水の入ったコップを置くのと同じような状況です。コップの周囲の空気の温度が下がり、コップに水滴がつくのと同じように、熱交換器に結露する現象が起こります。(室温が高いだけではなく、夏場は湿度も高い状態です。室内の空気の湿気が結露します。)

 

結露について簡単に説明します。空気中に含まれる水分の量は温度によって上下します。温度が高いと含むことの出来る水分量が多くなり、温度が低いと含むことの出来る水分の量が少なくなります。(余談ですが、湿度というのはその時の温度で含むことの出来る水分の最大量に対する実際の水分量の割合を示します。(これは相対湿度と言い、絶対湿度というのもあるのですが、絶対湿度はややこしすぎますので割愛します。))空気の温度が下がることにより、空気中に含むことの出来る水分量が減り、含むことの出来なくなった水分が発露するのが結露です。

 

室内に置かれた氷水の入ったコップはコップの周囲の空気の温度をある程度下げるだけですが、エアコンの場合、広い室内全体の温度を場合によっては10度近く下げようとします。その分熱交換の量が多くなり、発生する水の量も多くなります。コップの場合はコップに水滴がつく程度で済みますが、エアコンの場合は相当な量の水が発生することになるのです。

上記は冷房運転での説明です。暖房運転の時に水が出るのか?については暖房運転での水漏れの具体的な説明の項目で改めて説明いたします。

 

上のような仕組みでエアコン運転中に水が発生し、これが何らかの原因で正規のルートを通らずに漏れ出て、水漏れになる場合があります。

 

次回以降、冷房運転時、暖房運転時それぞれの水漏れについて説明します。