エコジョーズとエコキュートの違い・メリットデメリット

エコジョーズとエコキュートの違い・メリットデメリット

数ある給湯器の中でも人気を集めているエコジョーズ、家の新築や引越しの際には必ずと言っていいほど話題に上がります。
しかし中には「具体的に何がいいのか分からない」「エコキュートとの違いって何?」と感じている人も多いはずです。

そこで本記事では、エコジョーズの仕組みや導入するメリット・デメリット、エコキュートとの違いなどについてまとめました。
エコジョーズの設置を検討している方、ぜひ参考になさってくださいね。

エコジョーズとは

エコジョーズは、簡単に言うと使用するガスの量を極力減らして効率的にお湯を沸かす給湯器のことです。
これまで無駄になっていた「熱」を活用することで、従来に比べてガスの使用量を10~15%も減らすことができます。
それに伴い、ガス代も削減されるという家計にも嬉しい設計となっているのが特徴です。

エコジョーズの仕組み

一般的な給湯器は、水が通る配管を外側からガスバーナーで加熱し、温められた水がお湯として蛇口から出る仕組みです。
それまで外側から配管全体を温めるためには必要以上の熱が作り出され、この熱は排気口から空気中に排出されていました。
その熱に着目して開発されたのがエコジョーズです。
エコジョーズでは、これまで排出されて無駄になっていた約200℃の熱を回収し、水を温める際に再利用しています。
回収した熱で水をあらかじめ温めておくことで、いざ給湯する際に使うガスの量を減らすことができるのです。

エコジョーズとエコキュートの違い

エコジョーズとエコキュートはどちらも給湯機ですが、エコキュートは電気、エコジョーズはガスをそれぞれ燃料として使いお湯を沸かすというのが最大の違いです。
エコジョーズが加熱する際に出る熱を再利用するのに対し、エコキュートは空気中の熱を集めてお湯の沸き上げに活用します。
大気中から集めた熱をヒートポンプユニットという部分でより高温にし、その熱を水に伝えてお湯を作り出す仕組みです。
燃料の他にもいくつか違いがあるので、チェックしておきましょう。

エコジョーズは導入費用相場が約25万円~、エコキュートは約45万円~と大きな差がありますが、ランニングコストとしてはガスを使うエコジョーズの方が高くなるのが一般的です。
エコキュートは毎月の電気代が1/3ほどに減るのに対し、エコジョーズは年間2万円も安くなれば十分と言われているため、エコキュートと比べると節約効果はあまり期待できません。
また、エコジョーズは比較的小さい造りとなっており、ほとんどの住宅に設置が可能ですが、エコキュートは貯水タンクを設置する分広めのスペースが必要になります。

それ以外に押さえておきたいポイントが、使える湯量です。
エコジョーズは水道から出る水をそのままお湯に変えているため、災害や工事などで断水とならない限りお湯を使い続けることができます。

一方、貯水タンクを利用するエコキュートは、タンクの中身が空になるとお湯が出なくなってしまいます。
通常の生活であれば常に困らない湯量がキープされますが、何らかの理由で急にお湯が必要になった時には足りなくなってしまうことがあることを理解しておきましょう。

このように、エコジョーズとエコキュートにはそれぞれ一長一短の違いがあるので、導入する前にしっかり理解しておくことが大切です。

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エコジョーズのメリット

エコジョーズを導入するメリットを紹介します。

メリット1 ガス代が安くなる

これまでと比べるとガス代が安くなる、というのが一番のメリットです。
エコジョーズは、これまで無駄になっていた熱を再利用してお湯を沸かすため、沸き上げに必要なガスの量が大幅に削減されます。
それに伴い、もちろんガス代も安くなります。
使っているガスの種類や家族構成などによっても違いはありますが、年間20,000円前後節約できるとなると、長い目で見れば大きなメリットと言えるでしょう。

メリット2 導入費用が安い

給湯器には多くの種類がありますが、とにかく多いのが「エコジョーズとエコキュートはどちらがお得?」という疑問です。
しかし、そもそもエコジョーズはガス、エコキュートは電気を使うというだけでなく、お湯を作り出すシステムから全く異なるため「どちらが」と言い切るのは困難です。

ただ、導入費用だけで考えると、圧倒的にエコジョーズに軍配が上がるでしょう。
機種によって差はありますが、例えば下位モデルの場合、エコキュートであれば本体価格が約30万円、それに工事費が加わり合計45万円が最低でも必要になります。

一方、エコジョーズの場合は本体価格約15万円、工事費を含めても20万円前後です。
燃料や住環境なども影響するため一概に得とは言えませんが、導入費用が半分以下で済むというのは魅力的ですね。

メリット3 飲み水になる

エコジョーズは、給湯されたお湯を新鮮な状態で飲めるのもポイントです。
エコキュートなどタンク式の給湯器の場合、一旦タンクに溜まったお湯が供給されるシステムのため、タンク内の汚れなどを考えるとお湯を飲むのには適していません。
しかし、エコジョーズは水道から直接供給される水を一度沸騰させてお湯に変えているので、飲み水として利用することができるのです。
高温設定にしておけば、コーヒーやカップ麺にもそのまま利用でき、非常に便利です。

メリット4 湯切れがない

タンク式の給湯器は、単純にタンク内のお湯がなくなってしまうと、次に沸き上がるまでお湯を使うことができません。
一方、水道水を利用するエコジョーズであれば、何らかの原因で断水が起こらない限りはお湯を使い続けられます。
急にお友だち家族が泊まりに来た、子どもが部活に入ってシャワー回数が増えた、など日々の変化にも影響されることがなく安心です。

メリット5 場所を選ばない

エコジョーズは、その大きさも特徴です。
他の置き型給湯器と比べると、まずタンクがありません。
その上全体的にコンパクト設計で、置く場所を選びません。
一軒家はもちろん、マンションのベランダなどにもスムーズに設置できるので「給湯器を置きたいけど場所がない」などといった悩みも解消されます。

メリット6 上位機種ならお手入れも簡単

エコジョーズのフルオートモデルなら、さまざまな機能が自動で作動します。
決まった時間にお湯張り、減った分だけ足し湯など、普通ならその都度手間のかかる作業もお任せです。
さらに嬉しいのが、配管の自動洗浄機能。
入浴後にお湯を抜く度、新しいお湯で配管内を掃除してくれる機能です。
いつでも清潔なお湯で入浴できるのは、非常に気持ちが良いですよね。

エコジョーズのデメリット

エコジョーズを導入する際に知っておきたいデメリットをご紹介します。

デメリット1 従来の給湯器と比べると割高

エコジョーズの機種は、各販売メーカーごとにランク分けされています。
シンプルな機能の機種であれば、従来の給湯器の販売価格と比べて大差はありませんが、機能が増えたり、より効率性がアップした上位機種を導入したりする場合は、購入価格や設置費用などで最終的に数万円の差が出てしまいます。
実は従来の給湯器と機能があまり変わりなかったり、エコジョーズであるが故に工事費用が高くなったりする場合もあるので、よく調べてから購入しましょう。

デメリット2 ガスの使用量が少ないと節約にならない

エコジョーズは、ガスを多く使う家庭、つまり毎月のガス代がそれなりに高額になっている人ほど恩恵を受けられるシステムです。
そのため、家族が少ない家庭や毎日の入浴をサッとシャワーで済ます人などは、節約の効果をなかなか実感できません。
そうなると、エコジョーズに切り替える際にかかる費用とランニングコストを考えた時に損してしまうことになり兼ねないので、使用状況を加味した上で導入を考えましょう。

デメリット3 専用工事が必要

エコジョーズを導入する際は、専用の排水用配管を増設する必要があります。

熱を再利用する過程で、結露が発生しその水をドレン水と呼んでいます。
ドレン水は、通常の運転で1日1,000ml前後排出されますが、床暖房などを使う機会の多い冬場は、2〜3倍のドレン水が出ます。
このドレン水自体はエコジョーズ本体の内部で中和された上で排出されるため、人体や環境に大きな問題はありません。
しかし、そのまま垂れ流しにしてしまうと周囲が水浸しになり、見た目だけでなくコンクリートや建物を腐敗させてしまう可能性があります。

それらを防ぐためにも、ドレン水を流すためのドレン配管の設置が必要になるのです。
配管の配置を考えると、あまりに下水や雨樋などから離れた場所にはエコジョーズを設置することができません。
サイズ的にはコンパクトで場所を取らなくても、配管が原因で設置できないケースもあるため、導入する際は確認しておきましょう。

エコジョーズはこんな方におすすめ

エコジョーズはシェア率も高く、すでに多くの家庭で導入されている給湯器ですが、中でもどんな方にメリットが大きいのかについてご紹介します。

お湯を使用する人が多い

当然のことながらガスを使う量が多いほどガス代が高くなりますが、エコジョーズを使えばその分大きな恩恵を受けられます。
また、1日に何度もお風呂を入れなおす、家族がそれぞれ好きな時間帯にシャワーを使う、など大量のお湯が必要な場面でも、その場で必要な分だけお湯を作り出すことができてお湯切れの心配がありません。

シャワーをよく使う

実はシャワーを15分以上出しっぱなしで使う場合、1回浴槽にお湯をためるよりもガス代がかかると言われています。
例えば4人家族なら、4回お風呂を沸かすより高いガス代がかかると思うと、やはりガス代が削減されるのはありがたいですよね。

しかし、それだけではありません。
エコジョーズはその場で水をお湯に変えるシステムのため、立ち上がりが早いのもポイントです。
シャワーを使った時の「水が出て驚いた」「なかなか温かくならない」などのストレスからも解放されるのは大きなメリットと言えます。

自宅に床暖房設備がある

エコジョーズと床暖房の機能をセットにすることで、さまざまなメリットが生まれます。
床暖房を利用している家庭ではガスの使用量が多くなりますが、ガス代が高い分割引額も多くなります。
多くのガス会社がエコジョーズと床暖房を組み合わせた専用プランを提供しており、契約プランの見直しをすればさらにお得になるので活用しましょう。

また、ガスを使った床暖房は電気式に比べると時間をかけずに均等に温められます。
エコジョーズに切り替えることで、効率的かつ快適な生活を手に入れましょう。

プロパンガスを使っている

全国的に見ても、プロパンガスは都市ガスよりもガス代が高くなるのが一般的です。
そのため、普段からプロパンガスを利用している家庭では、毎月のガスの量が少しでも減ればガス代にも少なからず影響が出ます。
エコジョーズであれば最大15%も削減できるので、大幅な節約効果を実感できます。

環境保護に貢献したい

ニュースでも環境問題が話題に上がり、環境保護を考える人が増えています。
エコジョーズなら、従来の給湯器と比べて二酸化炭素の排出量が最大15%もカット。
家庭でも地球温暖化を遅らせるために協力したい、という方にぴったりです。

エコキュートのタンク容量・サイズの選び方

こちらの記事では、エコキュートのタンク容量について解説します。
エコキュートの導入を検討しているが、どのタンク容量を選べば良いのか分からないと思っている方も少なくないと思います。
家庭人数ごとのタンク容量や選ぶ際のポイントなどを詳しく解説するため、ぜひエコキュート選びの参考にしてください。

エコキュートのタンク容量・サイズの選び方

それぞれの家庭に合った給湯器を選んで快適な生活を

いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、エコジョーズの仕組みやエコキュートとの違い、おすすめポイントなどについてご理解いただけたと思います。
さまざまな給湯器が販売されていますが、それぞれのメリットやデメリットをきちんと理解した上で導入することが大切です。
今回はエコジョーズをメインにご紹介しましたが、光熱費を大幅カットできるエコキュートも人気です。
この機会に、あなたのお宅でも検討してみませんか。

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