吐出管温度異常:圧縮機から出た冷媒の温度が高すぎる
説明
吐出管温度異常という名前ですが、吐出管という管自体の温度が高いわけではありません。
冷媒の温度を上げるため圧縮機で冷媒の圧力を上げますが、圧縮機から出てきた冷媒の温度が何らかの理由により上がりすぎているエラー。原因として多岐にわたる内容が考えられます。エコキュートの場合、沸き上げの際にお湯にするための水の供給量が少ないことによって起こる場合があり、配管のつぶれ、つまり、凍結、水漏れなどが具体例として考えられます。また、冷媒量の不足によっても起こりえます。
エコキュートの運転が適正に行われているかの判断はいろいろありますが、以前説明しました高圧圧力、吐出管温度といった冷媒の状態も見て判断を行っています(表現が適切か分かりませんが、人間の健康状態を体温や血圧で管理するのと似ているかもしれません)。これ以外に熱交換前のお水の温度、熱交換後のお湯の温度、外気温なども見て判断します。
(用語)
圧縮機:冷媒の温度を上げる目的で冷媒の圧力を上げる働きをする部品。エアコンにも搭載されていて、水や空気を温めたり冷やしたりする際に最も重要な部品。心臓部などと表現されることもあります。
対策
このエラーが出た場合、ユーザー様で対応いただけることはあまりありません。漏電遮断器の入切で改善するか確認します。
冬期の配管凍結が考えられる場合は、配管の凍結箇所にタオルをかぶせ、その上からぬるま湯をかける(熱湯は配管を傷めるので厳禁です)などの対応をします。
凍結も考えられない、漏電遮断器の入切でも改善しないような場合、まず目に見える部分から水漏れをしていないか確認します。水漏れを起こしている場合、設置した工事店に相談します。水漏れも確認出来ない場合は機械を設置した工事店、お買い求めの販売店、若しくはメーカーに対応を相談します。
機械本体の不具合で圧縮機や冷媒系統の不具合が原因の場合も考えられます。圧縮機や冷媒系統はメーカーの保証期間が通常の部品よりも長い場合がありますが、保証期間を過ぎていると修理費用が非常に高額になることがあります。ただし、機械本体の不具合の場合の不具合箇所の特定にはメーカーによる点検が必要です。
エラーコードの例
ダイキン F3(エフ・サン)
日立 HE19(エイチ・イー・ジュウキュウ)
パナソニック F20(エフ・ニジュウ)
他のメーカーは機種によりエラーコードが異なる場合があります。